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2015年9月4日金曜日

BMW 走りへのこだわりとモジュール化の波(ストレート6の思い出)

かつてBMWは、4気筒は1.8リットルまで、それ以上になると振動が大きくなるので、2リットルからは6気筒が最適というポリシーだった時代があった。スムーズさを優先させる考え方だ。直列6気筒はバランスの面では理想のレイアウトであり、シルキーシックスとも呼ばれてBMWの代名詞であった。

直列6気筒エンジンを積んだBMW323を以前運転したことがある。コンパクトな3シリーズの車体に6気筒エンジンのパワーは十分、しかしパワーよりも、スムーズに回転上昇するエンジンが気持よかった。4気筒エンジンだったら苦しそうなうなり声を上げるぐらいの高回転域まで回しても、ただ音域が高まるだけで何事もなく回転上昇する。このエンジンの気持ちよさにつられてアクセルを踏み続けているととんでもないスピードになってしまうのだ。
そして、高速道路では、アクセルを踏み続けていればどっしりと安定しているのだが、不用意にアクセルを戻すと途端に神経質な挙動を示した(その車だけだったのかもしれないけど)。
推測するに、そのころの3シリーズはリアサスペンションがセミトレーリングアームという形式で、バンプしたときには対地キャンバー角がハの字型に開くが、リバンプしたときには逆にキャンバー角がついて後輪がすぼまってしまうのが原因ではないかと思った。

当時のBMWの直列6気筒ラインナップは、下は2リットルから上は3.5リットルあたりまで、気筒あたりの容量にすると330ccから583ccぐらいまで、かなり広い範囲をカバーしていた。

それが、現代のモジュラー化の考え方では最大効率を優先して気筒あたりの容量を500ccに統一して、その上で排気量に合わせてシリンダー数を変えるわけだから、大きな変化だ。
一方で、エンジンが1.5リットル3気筒でもFRにこだわるところがまたBMWのすごいところだ。

ボルボも、エンジン本体はガソリン、ディーゼルともに2リットルの直列4気筒に絞り、あとは過給機でバリエーションをつけるという戦略になった。また、市販車ではないが、今年のルマン24時間レースで総合優勝したポルシェのハイブリッドマシンも2リットルV型4気筒。やはり気筒あたり500ccを選択している。

モジュール化が進む中で、クルマは個性とか、味わいを失くしていくのだろうか。あるいは新しい味わいを持つようになるのだろうか。


ストレート6エンジンコレクション!


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