pinterest

2015年2月7日土曜日

多言語学習で脳のマンネリ化を防ごう!

しばらく仕事が忙しく、久しぶりの更新になってしまった。
ここのところ英語を読む量が激減していたので、意識して読むようにしている。先日は仕事の関係で英語で話をする機会があったのだが、とっさに言葉が出てこない。だいぶ勘がなまってしまっている。全く憶えていないわけではなく、単語の意味を思い出したり、意味をつかむのに時間がかかる。脳の中の情報をなかなか引き出せないという感じだ。

日本人にとっては、英語などのヨーロッパ言語は母語とまったく体系が違う言語なので、習得に大変な負荷がかかるが、それだけ脳に刺激を与えることにもなる。日本語だけを使っていると使わない部分や必要ないネットワークを、他言語を使うために否応なく使うことになる。

2004年には科学雑誌ネイチャーに、外国語を学ぶことにより脳の神経ネットワークの密度が高くなると発表されたという。

言語というのはコミュニケーションのための道具であるだけではなく、思考のための道具としても使われる。複数言語を使える人でも、たいていはそのうちどれか一つを使ってものを考えている。
また、それぞれの言語には特性があって、どれが優れているとか優れていないということではなく、得意不得意、向き不向きはあるはずだ。

例えば時制が明確な言語もあれば明確でない言語もある。中国語は時制を持たない。だから今のことを言っているのか、過去、あるいは未来のことを言っているのか、文脈で判断する必要がある。日本語も時制が不明確な言語の一つといえるだろう。
そして言語というのは時とともに変化していくものだから、欠けている特性を補うために別の部分が発達することもある。例えば英語はゲルマン語系統の言語だが、もともとのゲルマン語が持っていた(今のドイツ語等にもある通り)複雑な語形変化がなくなり、相当シンプルな活用変化になってしまったのだが、それで失った表現力を補うために、イディオム(熟語、慣用語句)が発達し、英語を外国語として学ぶ者を悩ませている。

そういった言語のさまざまな特性は、その言語を使ってものを考えている人々の思考に少なからぬ影響を与えているはずだ。話す言語によって話される内容も変わってくる。欧米の小説や映画のセリフの翻訳のような会話を、日本人は普通はしない。それは日本人の性格だけではなく、日本語の性質にもよるのではないだろうか。
複数の言語を使う人の中には、話している言語によって人格が変わっているのではないかと思うような人もいる。

バイリンガルはモノリンガル(母国語のみを話す人)に比べて認知症の発症が平均4.5年遅くなるという研究結果もあるという。年を取るとつい、考え方もやることもマンネリ化してくる。身体の使わない筋肉が落ちるのと同じように、脳の使わない部分も衰えてしまうのだろう。それを防ぐのに他言語を使うことが役立つのだろう。
バイリンガルはマルチタスク能力においても優れているという。外国語を習得したり、外国語を使うことは脳の機能を高め、可能性を拡げることにつながると考えられる。

0 件のコメント:

コメントを投稿