pinterest

2017年9月28日木曜日

天才と天才の不運なめぐりあわせ(F-1は感動をもたらすものであってほしい)

天才F-1ドライバー、アイルトン・セナが、その最後の年となった1994年に乗ったのは、天才デザイナー、エイドリアン・ニューウェイの手によるウィリアムズFW16だった。

ニューウェイによるマシンの例にもれず、ウィリアムズのマシンも空力を追求したマシンだった。そしてその空力性能を活かすには、前年まで使われていたアクティブサスによってライドハイトを安定させることが不可欠であった。高度な空力ボディとアクティブサスによって最強のマシンであったウィリアムズだが、アクティブサスが禁止された1994年シーズンの初頭には、天才ニューウェイをもってしても、気流が失速しやすく、ひどく扱いにくいマシンとなってしまった。そんなマシンでセナは3戦連続でポールポジションを獲得した。

マシンの弱点を出さずに走らせるそのセナの能力に、ニューウェイは唖然とするばかりだったという。



対するシューマッハの乗るベネトンのマシンは、アクティブサスではない普通のパッシブサスのノウハウを前年まで蓄積し熟成されたマシンだった。

アイルトン・セナは、最盛期には当時の最強マシン、マクラーレン・ホンダで圧倒的な勝利を重ねたが、その最盛期の前後のマシンに恵まれない状況において、セナはしばしば信じられないようなパフォーマンスを見せた。それがまさに天才とよばれるゆえんだ。

時には決勝レース以上に予選の速さにこだわったセナは、マシンに恵まれなかった最後の年まで、圧倒的な速さを見せつけた。

セナ最後の年となった1994年は、天才と天才の不運なめぐりあわせというしかない。


0 件のコメント:

コメントを投稿