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2014年11月26日水曜日

イスラム教と、食を節すること

今朝テレビで、日本に来ているイスラム教徒の食生活についてインタビューなどをやっていた。
イスラム教にはハラールというイスラム法にてらして食べられるものについての決まりがあって、豚肉を食べることは禁止されていて、そのほかの食品についても加工や調理に関して一定の作法があり、その作法が順守されたものがハラールとされて食べて良いもの、とされる。

日本に滞在しているイスラム教徒は、日本語が分からなくても「豚」「肉」という字だけを憶えておいたり、「ブタニク、ダメ」という言葉だけを言って誤って豚肉を食べないようにしたり、いろいろ苦労している。食品のパッケージについている原材料名を翻訳して、食べられるかどうか判定するアプリまであるらしい。
他の畜肉については、ムスリムの手によって「アッラーの御名によって。アッラーは最も偉大なり」と唱えながら屠殺されたものだけがハラールとされるという。神に感謝しつつ命をいただくという考え方だと捉えることもできると思う。

イスラムに由来する食に関する義務としては、ハラールともう一つ、ラマダーンの月に行われる断食がある。ラマダーンの月には日の出から日没まで飲食を断つ。貧しい人々の気持ちを身をもって経験し、食べ物に対するありがたみを感じるためとも言われるから、想いの持ち方としては素晴らしいものがあると思う。また、イスラム教ではザカートという、困窮者を助けるための喜捨も義務とされており、弱者を思いやり、救済するしくみが存在している。

水野南北という、江戸時代中期の観相学の大家は、「食は命なり」といって、食を節することが開運につながるという。人相が吉相であっても、大食・暴食をしたり、常に身の程以上の美食をするものは、運勢は凶となる。反対に、たとえ不吉の相であっても、口にするものを節すると運勢が良くなると言っている。

生命を保つために必要な量以上に食うことは、他人の食べる分を奪うことになる。そう考えると、逆に食を慎むことは陰徳を積むことになる、ということは納得できる。
肉体面を見ても、過食は老化をもたらし、万病につながる。小食にすると年をとっても健康を保て、運勢も好転するようにできているというのは、天の配剤といえるのではないだろうか。

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