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2014年4月29日火曜日

フォアフット着地と「予備緊張」

筋肉というものはやわらかいほうが良いと思っていた。相撲の千代の富士の筋肉は驚くほどやわらかいのだという。力を入れない状態でやわらく、力を入れた時に硬くなるのが良いというのが一般的な認識ではないだろうか。
しかし、今日見た「ランナーズ」誌によると、ふくらはぎの筋肉はむしろ硬いほうが、ばねが効いて速く走れる、というようなことだった。そういえば、本格的なランナーでもある作家の村上春樹は、自分の脚の筋肉はげんこつで力を込めて殴らないとほぐれないほどカチカチだということを書いていた(走ることについて語る時に僕の語ること)。
普通のランナーは足を着地してから筋肉が緊張するが、着地する前に「予備緊張」があったほうが良く、それを鍛えるために下り坂トレーニングや、ランニングの前後にジャンプをすると良いらしい。
「予備緊張」というのは、なんとなく分かる気がする。裸足で走ろうとするときにやわらかく着地するために自然に緊張する感じ。「緊張」することで疲れそうな気がするが、実際にはむしろ脚に負担がかからず、楽に長く走れる感覚である。

ちなみに、私が一番気に入っているランニングシューズは、これだ。

夏用の、スリッパのようにペラペラのシューズである。1000円かそこらで購入した。靴底など本当に薄いが、裸足感覚でやわらかく着地し、ナンバ走り風フォームで忍者のように走れる(走れているつもりになれる)優れモノだ。重量が軽いこともあり、疲れずに長く走れる。ただし、舗装路でも路が荒れていると痛いのは難点で、走るコースによっては使えない。
そして、このシューズでフォアフット着地で走ると、靴底が驚くほどすり減らない。私は歩く時にはくせがあり、靴の右のかかとがすぐに減ってしまうのだが、ランニングに使うこのシューズはほとんど減らないのだ。

クリストファー・マクドゥーガルの「Born to Run」には、手の込んだクッション性のある高価なシューズほど脚を傷めると書いてあった。安いシューズほど脚に良いという、これはとてもありがたい事実だ。

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