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2013年9月21日土曜日

「ちょっと待てよ」 猪瀬知事、インフラ整備推進にクギ

2020年東京オリンピック開催が決まり、祝賀ムードとともに、その経済効果に関心が集まっている。
人はとかく情緒に流されやすい。日本人は特にそうなのかもしれない。日露戦争のときだって、大国ロシアに勝ったという戦勝ムードに国民は酔い、ロシアから賠償金を取れなかった講和条約に対する弾劾騒ぎまで起こった。
良くも悪くも空気を読み、楽天的な空気の中では調子に乗ってしまう。今の日本の状況で楽天ムードに乗ってしまえる神経というのは、ちょっと信じられないのだが。


この記事での猪瀬知事の指摘はその点では正しい。

ついでに、猪瀬知事は、安倍総理のIOC総会での福島原発汚染水問題について「状況はコントロールされている」といった発言について、「今は必ずしもコントロールされていない」と言ったという。
いくら本当のことでも、それを言ってしまうのは立場上まずくはないだろうか、と心配になる。

福島原発で今起こっていることは、非常に不思議な現象だと思う。未曾有の大惨事が起こっているにも関わらず、それに対する対応策で、予算をケチっている状況。どんどん建てられる汚水タンクだって、耐用年数5年の一時的なもので、その5年だって、高濃度汚染水の高温のために本当にもつかどうか分からないという話だ。なぜ予算をケチらなければいけないかといえば、東電を破たんさせないためだという。確かに企業の論理から言えばそうだろう。お金をかけても何の利潤も生み出さない費用だ。現実に起こっていることはそんな段階をとっくに超えていると思うのだが。
かつては「世界で最も成功した社会主義国」と揶揄された日本が、今は資本主義の論理に縛られて重大な原発事故の対応に必要なお金もねん出できないとは、何という皮肉だろうか。

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