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2018年7月3日火曜日

ワールドミュージックとの出会い ユッスー・ンドゥール

音楽評論家の中村とうよう氏は、著書「ポピュラー音楽の世紀」の中で、20世紀をポピュラー音楽の世紀、と表現し、それは市場経済、マスメディア、大衆社会が完成したこの世紀に特有の現象、ということを書いている。

しかし、その時代は21世紀に入ると早々と変貌してしまった。さまざまな音源をレコード、あるいはCD等のメディアで個人で購入して聴けるようになった20世紀から、今ではインターネット上でダウンロード、あるいは動画サイト等で膨大な量の音源をただで聴ける時代になってしまった。

私の生家は決して金持ちではないが、その割には当時としては割といろんなレコードがあったほうで、邦楽からクラッシック、ジャズ、ラテン音楽も少々あり、イタリアの歌手、ミルバのレコードなんかもあった。

しかし、私が本格的に非欧米圏の音楽に関心を持ったのは、大学生のころ、ちょっとしたワールドミュージックブームがあり、知人のところでセネガルのミュージシャン、ユッスー・ンドゥールのアルバム"Nelson Mandela"の一曲目を聴いたときだった。




欧米圏のロック・ファンクにはないパワーと同時に、アフリカの音楽への先入観を吹き飛ばすような非常に洗練されたカッコよさが衝撃的だった。

ワールドミュージック・ブームのおかげで、今まで日本で普通に流通していた日本、あるいはせいぜい欧米圏の一部に限られていた地域の音楽から、その外側の世界へやっと関心を持つことができるようになったわけだ。

それが今ではアフリカはおろか世界中のどこの音楽であろうと、聴く気になればいくらでも聴くことができる。大変な時代になったものだ。

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