pinterest

2017年7月23日日曜日

0.5秒はとてつもなく長い

前回のエントリーの続き。
これは単なる反応時間だけの問題ではない。
私たちの意識というものが、幻想なのかもしれない、という話になってくる。

1509夜「ユーザーイリュージョン」トール・ノーレットランダージュ 松岡正剛の千夜千冊

「ベンジャミン・リベットは、感覚器官から脳につながる特殊系の神経線維が、感覚の時間調整を許していることを実証した」。「非特殊系の神経線維が0・5秒の活動をおこし、その結果、経験されうるようになるまで、その感覚は経験されない」

つまり、私たちは何らかの外的な要因を認識し、それに対してすぐに反応して行動していると意識では思っている。しかし、意識が自覚する前に、感覚器官がとらえた膨大な量の情報のうち多くの情報は捨てられる。人の意識が体験したと思っているものは、生の感覚データではなく、そのシミュレーションであり、イリュージョンだ。そして、実際に起こる約0.5秒のタイムラグはマスキングされ、意識されない。

人の意識について、あるいは人の自由意志についての探求には興味が尽きない。
心理学的にとらえるならば、岸田秀の唯幻論ともつながるかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿