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2017年7月19日水曜日

人間にとって0.2秒でシグナルに反応することは可能なのか?(F-1オーストリアGP)

先日のフォーミュラ1オーストリアGPで、メルセデスのバルテリ・ボッタスがポールポジションから見事なスタートを決めて、そのまま優勝したが、このボッタスのスタートについて、フライングではないかという疑惑が持ち上がった。グリッドの各ポジションの路面に設置されたセンサーによると、バルテリボッタスは、ライトが消えてから0.201秒以内に反応していたことを示しており、FIAの判定はセーフということになった。

しかし、スタートシグナル消灯を認知してわずか0.2秒でマシンをスタートさせるということが果たして可能なのだろうか?

以下のWIREDの記事によると、
「自由意志」は存在する(ただし、ほんの0.2秒間だけ):研究結果

アメリカの生理学者ベンジャミン・リベットの実験によれば、

平均的に、われわれが「動作」を始める約0.2秒前には、「意識的な決定」を表すシグナルが現れる。しかしわれわれの脳内では、「意識的な決定」を示す電気信号の約0.35秒前には、それを促す無意識的な「準備電位」が現れているのだ。つまり、われわれが「こうしよう」と意識的な決定をする約0.35秒前には、すでに脳により決断が下されていることになる。

これが正しいとすれば、ボッタスのマシンがスタートシグナルが消えて0.2秒後に動き出したということは、まさにスタートシグナルが消えたのとほぼ同時に「意識的な決定」を行ったはずで、さらにその0.35秒前に、つまりシグナルが消える約0.35秒前には無意識的な「準備電位」が現われていたはず、ということになり、その時点でボッタスの脳はマシンをどのタイミングでスタートさせるか決断を下していた、ということになってしまう。

しかし、準備電位を含めると「動作」が始まる0.55秒前に脳の活動が始まるということ、つまり動作が始まる0.55秒前にその動作が少なくとも脳の活動としては「決断」されているというのは、感覚的に理解しにくいことではある。

ボッタスが「フライング」にならなかったのは、たまたまマシンが動き出したのがシグナル消灯のごくわずか後だったからであり、運が良かった、ということになるのかもしれない。



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