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2017年6月26日月曜日

先駆者は必ずしも成功者とはならない

雑誌ゲンロクに、自動車評論家の清水和夫と渡辺敏史の対談という形の連載があって、自動車業界の動向がわかって面白いんだけど、今回(2017年8月号)の話題はホンダ。
ホンダは自動車やモーターサイクルだけでなく、汎用エンジンからビジネスジェットまでつくっている。「ホンダってクルマのメガヒットはあまりないけど、ユニークな技術はたくさんあったね。」例えばカーナビだって世界初だし、4WS(四輪操舵)も今ではフェラーリやポルシェ、BMWが使っているのとほぼ同じコンセプトを最初にやったのがホンダのプレリュードだった。

ただこのプレリュードの4WSは一代限りで終わってしまい、日産も同じようなHICASという四輪操舵を商品化したが、長くは続かなかった。
ホンダは今F-1で信じられないほどの苦戦をしているが、かつて大成功した第2期の挑戦では、当時のモータースポーツの世界ではどこのチームもやっていなかったコンピュータ化という革新技術を持ち込んだゆえの成功だった。今はそういったブレークスルーとなる技術を持っていないのが苦しいところだ。

もっとも、先駆的な技術が長続きせずに終わってしまい、後になって他で成功するというのはホンダに限ったことではない。例えば今は高性能車のトランスミッションとして当たり前になったDCT(デュアルクラッチトランスミッション)はポルシェが最初にレース用に開発したが成功せず、かなり後になって多くのクルマで使われるようになった。

先駆者は必ずしも成功者とはならない。技術開発と経営戦略は別物だから。しかし、誰かが切り拓かなければ道は開かない。

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