Hamilton and Senna Take Pole in Montreal 25 Years Apart
そして決勝でも、最盛期のセナを彷彿させるポール・トゥ・フィニッシュでぶっちぎりの独走で優勝をきめた。
【動画】 F1カナダGP 決勝 ダイジェスト … ハミルトンが今季3勝目
アグレッシブなドライビング・スタイルをもつルイス・ハミルトンは、現役のF-1ドライバーの中でも実力は抜きんでている。
一方、かつてモナコ・マイスターと呼ばれたセナ。他のどのサーキットよりめまぐるしいモナコのコースを得意としていた。また、雨のセナとも言われたように、他のドライバーがアクセルを踏めない雨天のレースで誰よりも果敢に攻めることができたセナは、並はずれた繊細な神経を持っていたのだろう。
さて、私たち人は、周りの世界を知覚し、意識によって認知して、意識によって判断なり決意をした上で何らかの行動をとっていると思っている。それは、アイルトン・セナやルイス・ハミルトンがF-1マシンをドライブしている時も、基本的には同じだろうという気がする(ただそのスピードが恐ろしく速いだけだ)。
しかし、アメリカの神経生理学者ベンジャミン・リベットによると、
1.(ある刺激に対して)意識が生じるまでには0.5秒の脳活動が必要
2.意識は時間的な繰り上げ調整を行い、0.5秒の誤差をごまかす
というのだ。
(参考)マインド・タイム
膨大な量の情報から、それを左脳が整理、もしくは取捨選択して意識上で解釈するのに0.5秒かかるということなのだろうか。
そうすると、例えばタイヤが突如グリップを失った時、ハミルトンにしろ、セナにしろ、0.5秒というとてつもない長さのタイムラグのあと、意識的にそれを修正するというのではとても間に合わないはずだから、無意識の反射で対処しているということになるのだろうか、と考えられる。少なくともフィードバック処理を前提とすれば。
でも実際には、無意識の反射で修正を行うと、過剰な反応になってしまうので、マシンの状態を知覚しながら、意識的にコントロールできないと、優秀なドライバーにはなれないときいたことがある。そうすると、まぎれもなく優秀なドライバーである彼らはフィードバック制御ではなくて、フィードフォワード的に制御をおこなっていることになる。
タイヤがここで滑りそうだな、という予測が滑るまえに(頭の)どこかでできていて、実際にタイヤが滑った時にはすでに必要な対処を行っている、というイメージだ。
そしてフィードフォワード的な予想はあくまで予想であって、意識がつくりだした、おそらくこうなるだろう、というストーリーだから、これを「幻想」という言い方もできる。しかし、その「幻想」を限りなく現実に起こるストーリーに近づけられるのが、非凡なる才能をもったアイルトン・セナなり、ルイス・ハミルトンということなのだろう。
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