pinterest

2017年5月13日土曜日

未来志向の関係

イギリスのブレグジットにはじまり、アメリカのトランプ政権誕生にみられるように、自国に閉じこもろうとする、グローバル化への反動が世界各地で見られる。日本も内向きになっているといわれるようになって久しい。

韓国では大統領選挙が終わり、文在寅政権が誕生した。北との関係を重視するというもっぱらの報道だが、それがどの程度その通りになるのか、あるいは現実的な対応をとっていくのかは、これからの推移を見守るしかない。今回の選挙の結果は、韓国の若年層の大きな不満が、過去の保守政権の否定に結びついたところが大きいようだが、対外的な政策論よりは意識が国内に向いた内向き志向と言えるのだろう。

しかし、世界がここまで情報でつながっている以上、大きく見ればグローバル化は不可逆だろう。北朝鮮とアメリカの戦争の危機が騒がれたが、実際にはアメリカは北朝鮮に対してサイバー攻撃をしかけてミサイル発射を失敗させているという情報もあり、有事の際にはサイバー戦によって北朝鮮の反撃を阻止する方法を持っているようだし、北朝鮮もそれに対抗してサイバー戦の能力を持っているようだ。戦争でさえ、実際に血を流す戦争よりは、サイバー戦で帰趨が決まる割合のほうが大きくなっている時代だ。

世界各地の反グローバル化の動きの背景は、グローバル化によって職を奪われたり、経済格差が生じているという不満、要はグローバル化によって不当に儲けようとしている者が存在しているということであり、あるいは安全保障に対する不安から、国境の中へ逃げ込む心理につながるのは理解できる。しかしその一方で、個人が国家に縛られることは、もう望んではいないのではないだろうか。国家の概念すらなくなるかもしれない近未来において、歴史的な経緯からくる情念は個人、一人ひとりの輪廻転生する魂の問題に還元されるかもしれない。その時にはじめて、未来志向の関係が可能になるのかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿