いよいよ明日土曜日、フランスで行われるル・マン24時間耐久レース決勝がスタートする。
今年はトヨタが本気だ。予選1位、2位は昨年の勝者ポルシェが占めたが、トヨタは3位、4位に入った。
今の耐久レースシリーズはハイブリッド技術によるエネルギー回生が重要だが、今年のトヨタのマシンはエンジン自体も去年までとは大きく違っている。昨年のマシンはV8ツインターボだったのに対して今年はV6ツインターボ。ターボは3つのシリンダーで一つ回すのが排気干渉がなく一番効率的だから、V6ツインターボはとても合理的な構成だ。
これまで日本のメーカーで唯一ル・マン総合優勝を果たしたのは、ロータリーエンジンのマツダだけだ。かつて日本のトヨタと日産はV8ターボで挑戦を続けていたが、ついに一度も優勝を果たしていない。ハイブリッドがない時代に、レースに勝つために必要な排気量を考えるとV8というのは妥当なシリンダー数という考え方もある。しかし、V8ターボがルマンで勝ったことは、案外少ないのだ。
参考:ル・マン24時間歴代勝者-Wikipedia
これはまったくの素人考えなのだけれど、V8ターボというのは技術的に矛盾を解消しきれないのではないか。振動を減らすためにクロスプレーンのクランクにすると、それぞれのバンクで不等間隔の排気でターボを回さなければならない。無理に等間隔にまとめようとするとレイアウトに無理が生じる。振動に目をつぶってフラットプレーンクランクにしても、排気干渉は完全にはなくならない(だからツインスクロールターボにするケースが多い)。
ル・マンでかつて圧倒的な強さを誇ったポルシェは、伝統的にフラット6エンジンで、ツインターボだった。つまり3つのシリンダーで一つのターボを回していた。たとえパワーでライバルに多少劣っていたとしても、車としての総合的な完成度が要求される24時間耐久レースにおいては、効率と耐久性にすぐれたエンジンが強みとなっていたのではないだろうか。
とにかく、今年はV6ツインターボ+ハイブリッドのトヨタに注目したい。
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