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2016年1月24日日曜日

寒波の釜山、露店で冷麺を食べる

そもそも北極気団が直撃する韓国の1月の平均気温は、函館なみ。日本は2月のほうが寒いけれど、韓国は1月が一番寒いのだ。1月に釜山に来るのは初めてではないから寒いのは覚悟していたけど、ここ数日は本当に寒い。



韓国には、「小寒の寒さは借りてでも経験しなさい」ということわざがあるという。「若い時の苦労は買ってでもせよ」という日本のことわざと似ている。

釜山の買い物スポットの一つ、「国際市場」の「アリラン通り」では、この寒い中、露店で冷麺を売っていた。



今回、大韓航空機の機内誌で知ったのだけれど、韓国では冷麺はもともと冬の味覚だという。「冷たさを以て冷えを治める」冷たい食べ物を摂取することで熱が体外に放出されることを防ぐ、という考え方のようだ。

韓国の冷麺では、ソバ粉の麺をつかった「平壌冷麺」が逸品だという。中国から伝播したソバは韓国の三国時代以前から栽培が始まり、厳しい寒さにも耐え救荒作物として半島の食を支えてきた。中国明朝の薬学書「本草綱目」に五臓の老廃物を排出すると記されている。韓国では、黄色の根、紅色の茎、緑(青)色の葉、白色の花、黒色の実と陰陽五行の五つの色を備えた五方之霊物(オバンジヨンハル)とされ、尊いものとされた。

以上は大韓航空機の機内誌の受け売りである。

ぜひソバ粉を使った冷麺を食べたいと思って、露天のおばさんに「ソバですか?」と日本語で聞いたけど、通じた気配はない。「冷麺」という答えが返ってきた。いくつか種類があるうちの一番黒っぽい麺をたのんだ。



「ビビンネンミョン」という辛い味付け。「ビビン」は混ぜるという意味らしい。ビビンバの「ビビン」と一緒だ。


翌日、別のところで食べた冷麺も黒い麺だった。こちらは「ムルレンミョン」というスープに入った冷麺。辛くない味付け。



一緒に食べた韓国人の知人に原料をきいてもよくわからなかったが、この色はソバだろう、と思うことにした。味も歯ごたえも日本でなじんでいる中華風の冷麺とはぜんぜん違う。細くてしっかりと粘りと腰のある麺に、酸っぱさよりは甘みが強いスープの組み合わせ。個人的にはこちらのほうが好みだ。

もっとも、釜山には「ミルミョン」という、小麦粉を使った麺の独特の冷麺があり、そちらは中華麺のような色をしている。アリラン通りの露天でも、このミルミョンらしい黄色い麺から、黒っぽい麺、ハルサメのような色の麺等、いくつかの種類の麺が並べてあった。

でも、寒い中、本当にお疲れ様です。

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