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2015年6月12日金曜日

ブルースギターのパワーも、遅筋のパワーだ!

さて、仕事といえばいつもパソコンの前に座っている私が、ランニング以外で体を動かすことといえば、時々ギターをいじることぐらいだ。最初はロックから始まり、ジャズも少しはかじってみたけれど、最近はブルースが一番だ。理屈っぽく小難しいフレーズなんかより、一つの音を延々とビブラートでひっぱるのが気持ちいい。このビブラートとか、弦を指でぐっと押し上げるベンディング(日本ではチョーキングと呼ばれるテクニック)なんかは、きのう書いた前腕部の遅筋の動きだ。

ブルースはかつてアメリカ合衆国で奴隷制があったころ、奴隷として苦しい労働を強いられたアフリカ系の人々の労働歌が起源だというふうに一般的には言われることが多いが、奴隷解放後に自由人になったはずなのに、アメリカ社会から拒絶され、抑圧されているという状況があり、奴隷という共同体の一員ではなく、抑圧された個人としての歌であるブルースが生まれた、という意味のことが「黒人ブルースの現代」(三井 徹 著)に書かれている。

ブルースは自然発生的に起こった現象だったのだから、どこを起源とするかによって、捉え方は変わってしまうともいえる。いずれにせよ、過酷な状況から解放されることなく、厳しい労働をしなければならなかった人々の境遇が反映された音楽ということはいえるのではないかと思う。ブルースのギターは特に、いやおうなく鍛えられた筋肉の動きが魂に訴えかけるのだ。


アルバート・コリンズ Iceman



この人のギターをはじめて聴いたときはぶったまげた!テレキャスターでどうしてこんな太い音が出るんだろう、と思った。しかし、この人はライブではギターを100メートルぐらいのシールド(コード)を通してアンプにつなぐ。エレキギターからの電気信号は、途中にエフェクターか何かを通さない限り、ハイインピーダンスでアンプに向かうから、100メートルのシールドコードを通せば特に高音域は劣化する。劣化してもなお、びんびん伝わってくるパワーはすさまじい。

先日亡くなったBBキング。特に人差し指1本でのビブラートが強烈だ。

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