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2015年3月19日木曜日

ヤッシャ・ハイフェッツの超絶技巧 (チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲)

先日、韓国の釜山に滞在中、車に乗せてもらっていたとき、FMラジオでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が流れていた。韓国語は全くわからないので、運転していた友人が訳してくれた。チャイコフスキーはうつ病に悩まされていたということを解説していた。

この曲には馴染みがある。
家にレコードがあってよく聴いていた。ヴァイオリニストに超絶技巧を要求し、民族色が強く、なかなか評価されなかった曲だという。
そのレコードでのヴァイオリン独奏は、たまたま天才ヤッシャ・ハイフェッツだった。 神懸かり的な超絶技巧で知られる演奏家だということをずっと知らずに聴いていたのだが、その完璧なコントロールで繊細かつ粘り強い演奏が私の頭に染みついていて、判断基準になってしまい、この曲を他のバイオリニストが演奏しているのを聴くと申し訳ないけど稚拙に聴こえてしまう。




Jascha Heifetz plays Tchaikovsky Violin Concerto: 1st mov.

あまりの超絶技巧に、「冷たい」「機械的」と評されることもあるようだが、強音部から弱音部まで艶やかに歌わせる歌わせ方だって、他のヴァイオリニストを凌駕している(と思う。そんなに他のヴァイオリニストを知っているわけではないが)。

ヤッシャ・ハイフェッツは現在のリトアニア生まれのユダヤ人である。ウィキペディアのフランス語版にあった情報によると、演奏会で、かつてナチスに協力したとみられていたリヒャルド・シュトラウスの曲を演奏することに固執したため、エルサレムの過激なユダヤ人に暗殺されそうになったという。政治的な事情よりも音楽性を最優先させる完璧主義者だったという。

愛用した楽器はグァルネリ・デル・ジェス。一般的にはストラディヴァリウスのほうが有名だが、独特な音色を持っているらしい。ヤッシャ・ハイフェッツの力強く粘りのある音色は、この楽器の特徴でもあるのだろうか。

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