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2014年4月20日日曜日

福島原発 廃炉への道

NHK特集、福島原発「廃炉への道」を見た。40年以上の歳月と、2兆円という費用が見込まれている。

溶け落ちた核燃料がかたまった燃料デブリの取り出しに早くて2020年から取り掛かるが、原子炉上部のコンクリートにまで放射性物質がしみ込んでおり、作業員が近づいて作業をできるように、コンクリート表面を削っての除染が必要。デブリからの放射線を封じ込めるための「冠水」作業、そのためには格納容器の数知れない損傷個所の修復が必要。人が近づくことすら困難な格納容器内部の状況を探るためのロボットの開発・・・驚くほどの困難な状況に対処するための高度な技術開発が行われているが、それが事故の処理という「後ろ向き」の作業のための努力であることに茫然とする。

敷地を埋め尽くして増え続ける汚水タンク、作業員の労力の半分が汚染水対策に追われているという。漏れ続けて海にまで流れ続ける汚染水、その対策として、山側への放水にしぶしぶ同意する地元の漁師。廃炉が遅れれば自分たちの生活の復興も遅れると、苦渋の選択。

格納容器が壊れなかったアメリカのスリーマイル原発事故でも困難を極め5年を要した燃料デブリの取り出し作業。福島はそれとは比較にならないという。

爆発したチェルノブイリ原発の場合は、今も燃料デブリが強い放射線を発し続け、その処理方法を100年かけて模索するという。

原発の問題は、現代の物質文明を支えるために大変なものを抱えてしまった人類全体の問題であり、目をそむけず、関心を持ち続けるしかないと思う。

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