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2014年2月17日月曜日

自然現象の中で生きる人間-『日本史の謎は「地形」で解ける』

科学文明が発達した現代においても、人間はしょせん自然現象から自由にはなれないということを、今回の大雪で改めて感じた。天候や気象現象も自然なら、地形というものも自然である。人工的にまったく変えられないわけではないが、現代の技術をもってしても、地形に手を加えることは多大なコストがかかる。竹村公太郎の『日本史の謎は「地形」で解ける』は、人文科学の見地から、あるいは文献、記録から歴史を探るのではなく、「自然」のなりゆきとして、こうなるだろうという見地から、日本の歴史を探る試みであるといえるだろう。
また、世界的なベストセラーであるジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』も、膨大な科学的データから、世界史の謎に答える論理を展開している。人間は、良くも悪くも「自然現象」のように動くのが現実の姿なのではないか。
この「自然」というもの、どうせ人間が逃れることのできないものを、人知を超えた存在として認識し、太古の日本人は「カミ」とよび、カミと一体となって生きようとする姿勢が、古神道でいう「惟神(かむながら)」「神のまにまに」という生き方だったといえるのではないだろうか。そして、世界の中では例外的に自然環境に恵まれた太古の日本列島は、「神のまにまに」生きることに最も適した環境だったのだろう。

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