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2014年2月19日水曜日

地理と政治・国際関係のつながり-地政学

昨日まで、竹村公太郎の『日本史の謎は「地形」で解ける』にからめて自然の一部である地形が人の歴史に与えた影響について書いたが、地理的な要件が政治や国際関係に与える影響を研究する学問として「地政学」がある。一国の国益、世界情勢を考える上で非常に重要な学問であるはずだが、第二次世界大戦後の日本ではタブー視され、大学でも専門的に学べる学部・学科がないという。

奥山真司氏が一種の使命感をもって日本人の私達に地政学を紹介している。
地政学を英国で学んだ

少し前の本だが、『100年予測』(ジョージ・フリードマン)という本で、地政学的な見地から今世紀いっぱいの世界情勢の動向を予測しているものがある。少し前の本なのですでにとんちんかんに外れていることも多いし、そもそもアメリカの情報機関による予測なので明らかにアメリカ寄りに偏っているのだが、地政学的な見方というものが垣間見えて面白い。例えば中国は、小さな日本列島とは比べ物にならない広い国土を持っているが、内陸部の膨大な土地は通過不能な地形や荒れ地であり、経済発展が進んでいる沿海地域は事実上他の地域から隔離されている。さらにその沿海地域から世界につながる海域が、日本列島と沖縄、台湾が覆いかぶさっている。それを見ると中国がその海域の支配権に執着する理由が理解できる。

そういった中国その他近隣諸国との関係を考える上でも地政学は重要である。さらに、アメリカのシェールガス革命に起因する地政学的な大変化が世界全体で起こっている今、日本にとってその重要性はますます大きくなっていると言えるだろう。

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