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2014年1月26日日曜日

自転車ロードレーサーとランナー、そしてものを書くこと

今日は午前中時間が取れたので、昼前の時間に1時間弱のランニング。この季節にしては気温が高く、暑いと感じるほど。南風が強く、走り始めは風に向かって走ったためもあってペースを上げるのがかなりきつかったが、2キロぐらい走り続けるとようやく楽に走れるようになった。
途中、軽い登り坂で自転車ロードレーサー2台に追い抜かれたが、ペースにそれほど差はない。自転車というのは登りこう配はかなりきつそうだと思った。
昨夜のテレビで、自転車のロードレーサー、新城幸也のインタビューをやっていた。世界最高の自転車ロードレース、ツールドフランス、フランス1周約3300キロ程を、23日程で走り続けるという過酷なレースで、日本人初の表彰台に立った選手だという。
自転車競技においては、脚が痛いのは当たり前、慣れるしかない。大量のカロリーを消費し、走りながらそれを補給する。食べてすぐでも走れるように、それも体を慣らすという。睡眠時間は10時間、消耗した体力を回復させるために必要なのだという。まさにトップアスリートならではのストイックさだ。ふくらはぎの筋肉なんかもかなり太い。あれで瞬発力を発揮するだけでなく、1日中走り、それを何日もレースで走り続ける耐久力はすごい。
一方、アスリートが本職ではないのだが、作家であり、なおかつかなり本格的なランナーでもあるのは村上春樹だ。以前も触れたことがあるが、「走ることについて語るときに僕の語ること」という本には、走ることへの取り組みや、作家としてもあり方について、かなり真摯に書かれている。
村上春樹の、この本に書かれている筋肉の鍛え方というか、酷使ぶりは半端ではない。
”集中して練習しているとき、僕の筋肉はだいたいにおいてぱんぱんに硬くなっている。朝ジョギング・シューズを履いて走りだすときには両足が重くて重くて、もう永遠にまともに動かないんじゃないかという気がするくらいだ。(中略)しかし我慢して走っているうちに、少しずつ筋肉がほぐれてきて、ニ十分くらいでなんとか人並みの走り方ができるようになる。次第にスピードも出てくる。”
フルマラソンのみならず、トライアスロンやウルトラマラソンにも挑戦している村上春樹によると、こういったアスリート的な鍛練と、作家として書くための努力とは無縁ではないという。文学的な才能の次に、小説家にとって重要な資質は「集中力」であり、その集中を、半年も1年も2年も継続して維持できる「持続力」も重要。そして、そういった集中力と持続力という能力は、トレーニングによって後天的に獲得し、その資質を向上させていくことができる。
”日々休まずに書き続け、意識を集中して仕事をすることが、自分という人間にとって必要なことなのだという情報を身体システムに継続して送り込み、しっかりと覚え込ませるわけだ。(中略)これは日々ジョギングを続けることによって、筋肉を強化し、ランナーとしての体型を作り上げていくのと同じ種類の作業である”
ものを書くという作業、体を動かすという作業、まったく正反対のようで、かなり通じているというのは興味深く、参考になると思った。

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