2022年F1マシンのフルスケールのショーカー画像をイタリアのウェブサイト LiveGP が発表した。2022年にはグランドエフェクトカー復活となる大きなレギュレーション変更によって、オーバーテイク促進が図られることになる。
F1 | ESCLUSIVA: VI SVELIAMO LE PRIME FOTO DELLA MONOPOSTO 2022
画像の出展:https://www.livegp.it/
新レギュレーションによる変化は、グランドエフェクトカーとしてアンダーフロアが明確なベンチュリ―形状となっていることだけではない。前後ウィング、特にフロントウィングがシンプルな形状になっていることの影響は大きい。
フォーミュラカーの空力を考える上で一番大きな問題になるのは、むき出しで高速回転する車輪だ。ここから発生する乱流に対する対策が大きなファクターとなる。今年までのF1は、フロントウィングの中央部分、Y250エリアと呼ばれる部分がウィングもフラットになっていて、乱れのない気流をアンダーフロアと、スプリッターとサイドポッドを通過してディフューザー上部まで流すと同時に、そのY250エリアのすぐ両わきでY250ボーテックスと呼ばれる過流を意図的に作り、その過流を前輪の後ろのバージボードで車体の両サイドに導き、むき出しのフロントタイヤが発生する乱流をシャットアウトして車体の外側に出してしまい、ダウンフォースを生むアンダーフロアのきれいな気流を確保するということが重要なポイントであった。その一方で、車体の外側に導かれた過流が、後続車に当たる気流を乱して、オーバーテイクを難しくしていた。
2021年からの新レギュレーションではこのY250エリアがなくなり、フロントウィングは全幅にわたりウィングとしての効果を発生するようになる。そうすると、アンダーフロアへのエアはフロントウィングの影響を受けた状態で流れ込むことになる。フロントウィングにレギュレーション上どの程度の工夫が可能なのか、また、前輪周りのカナードとホイールカバーが乱流の抑制にどの程度効果があるのか、それがダウンフォースを発生するのに大切なアンダーフロアの空気流に関わってくるんだろう。
この新しい空力コンセプトによって、せめて今のインディカーシリーズ並みにテール・ツー・ノーズのバトルやオーバーテイクが見られるようになることを望みたい。
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