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2021年2月10日水曜日

ライル・メイズ~破綻なき繊細な音空間の構築

 去年の今日、2月10日に亡くなったピアニスト、ライル・メイズ。ギタリストのパット・メセニーとの共演が多く、私もパットメセニーのアルバムではじめて聴いた。




アース・ウィンド&ファイアーのアルバム、ヘリテッジに入っている曲のロングバージョン。



アースのアルバムではちょっとした小曲といった趣だったが、こちらはピアニッシモから始まりながらも雄大な展開を見せ、ちょっとキース・ジャレットのアメリカン・カルテットを連想した。どちらもビル・エヴァンスの影響を受け継いでいるところが共通しているからか。美しくもスケールの大きな演奏だ。




耽美的とも受け取れる繊細なプレイの奥に、聴けば聴くほど、インプロバイザーとしての凄みまで感じさせる。そういうところもキース・ジャレットに通じるものがある。

ライル・メイズは音楽だけではなく、建築にも関心があり、実際に家をいくつか設計しているのだという(ソフトウェア・プログラミングも独学で行っていた、多才な人だ)。アドリブでも重ね合わせる音の響きが破綻なく、絶妙なタイム感で音空間が校正されていくような演奏は、確かに美しい建築作品のようでもある。




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