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2020年6月11日木曜日

Harlequin ウェザー・リポートのアルバム「Heavy Weather」から

どんよりと厚い雲がかかって雨が降り続けた後、ようやく雨が弱まって雲が薄くなり、思いのほか明るくなって日が差したりするような時、決まってこの曲が心に浮かぶ。






ウェザー・リポートのアルバム「Heavy Weather」の4曲目。

日本の梅雨は、「Heavy Weather」ということばで表現するには、おだやか過ぎるのかもしれないが、このアルバム全体の空気感は、優しさに満ちている。特に、ジョー・ザビヌルのキーボード、ウェイン・ショーターのソプラノサックス、ジャコ・パストリアスのベースが有機的にからみあってその優しい響きをかもしだしているのだけれど、よく聴いてみるとそれぞれのプレイ、詩情あふれるメロディやハーモニーは高度な即興演奏の緊張感をたたえているという稀有の名演だ。

さまざまな表情をみせる天候の下に広がる自然や、人々の動きと都市の活気、ダイナミックなスケールを感じさせながら、ミュージシャンの息遣い、ジャズの醍醐味といえる即興演奏の冴えを同時に感じられる不思議な作品だ。


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