数多くのジャズメンが演奏しているこのスタンダードナンバーだけど、私が初めて聴いたのはマイルス・デイヴィスのこの演奏だった。
今思えば、かなり変わった演奏をいきなり聴いてしまったものだ。物悲しいメロディーの原曲を、独特の解釈とアレンジで、哀愁とともに幻想的な響きの音楽に変えてしまっている。
しかし、これを聴いて気に入ってしまった私にとっては、他のプレーヤーの演奏は普通すぎて物足りないと感じてしまうのだ。
そんな私が、これはまた一味違うと思ったのは、ソニー・ロリンズのこの演奏。
スローバラードなのに荒々しい手触りのブロウではじまる演奏は、ぶつ切りのようなフレーズが投げ出される中に、ひらめきに満ちたフレーズがちりばめられている。天才ロリンズの演奏の中でも、インスピレーショナルなフレーズがてんこ盛りのこの演奏は、かなりの名演なんじゃないだろうか。
演奏の終盤を飾すトミー・フラナガンのピアノもさすがと思わせるセンスの良さだ。
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