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2017年5月19日金曜日

肋骨レコード

雑誌「NATIONAL GEOGRAPHIC」の記事で知ったのだけれど、冷戦時代の旧ソ連で、西側諸国で流行していた音楽を販売することも聴くことも禁止されていたなかで、そういった規制をかいくぐり、限られた材料でつくられた海賊版レコードが流通していたのだということだ。

なんとその材料は、廃棄されたレントゲン写真!

ネットでもその話がみつかった。

1950年代のソ連で廃棄レントゲン写真を加工して密かに作られていた海賊版レコード「Ribs(肋骨レコード)」

肋骨レコードの思い出

もうとっくにソ連は解体し、旧東側の国々でも、一部の例外をのぞいて好きな音楽が聴けるような社会になっていることだろう。そして今の世界は、レコードやその後進歩したいろいろな媒体で音楽を自由に買えるようになり、それどころか、インターネットでたいていの音楽が聴けてしまう、買うことすら必要ない時代になってしまった。






「作るのはもちろん、持っているのが見つかれば逮捕されてしまった。それでも私たちはこのレコードを必死に作ったのです・・・あの時代は今の時代とは違っていた。当時、私たちにとっては音楽の向こうに何が表現されているのかが重要だった」




ピーターバラカンと谷啓が語る。「こんなものにすりこもうという発想が、さすがに、人間、音楽が好きになると・・・何とかして聴きたい、何とかしてレコーディングしたいという・・・」

こんな薄っぺらいビニールのフィルムに刻み込んだ溝で複雑な音楽を再生するこの技術と、今のデジタル機器が0と1の連続で音楽を再生する技術と、はたしてどちらがすごいといえるのだろうか、という素朴な疑問がわき上がってくる。

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