ロリ―・バーン(Wikipediaより)
今シーズン最も注目されているトップデザイナーは、いうまでもなくレッドブルのエイドリアン・ニューウィーだが、レギュレーション変更で空力が再び重要性を増した今シーズンに、二人の天才デザイナーが力を発揮することになっているのは非常に興味深い。
ロリ―・バーンのF-1初期の戦歴としては、アイルトン・セナが1984年にF-1デビューしたトールマンTG184がある。その後トールマンは買収されてベネトン・フォーミュラとなり、1992年ミハエル・シューマッハに初勝利をもたらしたB192、そしてB193Bを経て、1994年ドライバーズチャンピオンをもたらしたB194、翌1995年にドライバーズチャンピオン、コンストラクターズチャンピオン両方を獲得したB195をデザインした。
1995年のベネトンB195(Wikipediaより)
その後、ミハエル・シューマッハが低迷していたフェラーリに移籍し、頂点へと引き戻すために引き抜かれ、シューマッハに説得されて隠居生活から復帰した。
一方、エイドリアン・ニューウィーは、そのロリ―・バーンのマシンによるタイトル獲得の間隙を縫うように、チャンピオンマシンをつくっているのだ。1992年のウィリアムズFW14B、1993年のFW15C、2年にわたってドライバーズタイトル、コンストラクターズタイトルの両方を獲得している。
エイドリアン・ニューウィー(Wikipediaより)
1992年のウィリアムズFW14B(Wikipediaより)
1996年もウィリアムズで両タイトル獲得、1997年にウィリアムズを離れてマクラーレン入りし、翌1998年と1999年にミカ・ハッキネンにドライバーズタイトルを獲らせた。
1998年のマクラーレンMP4-14
2000年にはロリ―・バーンが加入したフェラーリが低迷から復活し、シューマッハによってドライバーズタイトル、その後何と2004年まで5年連続のタイトル獲得をした。
2004年のフェラーリF2004(Wikipediaより)
その後ロリ―・バーンは引退、2006年にニューウィーはレッドブルに移籍、すぐには結果は出なかったが、2010年にダブルタイトル、その後2013年までダブルタイトルを獲得し続けた。
2011年のレッドブルRB7(Wikipediaより)
こうしてみると、1992年ニューウィーのタイトル獲得から現在まで、ロリ―・バーンとエイドリアン・ニューウィーがタイトルを獲得していない年は、1997年、2005年、2006年、2007年、2008年、2009年、2014年、2015年、2016年と、25年間で9年間しかないのだ。2014年から昨年まで圧倒的な強さを保ったメルセデスに対してフェラーリ、レッドブルがどれだけ対抗できるかまだ予断を許さないが、この二人の天才デザイナーが大いに力を発揮して、F-1グランプリを盛り上げてくれることを期待したい。
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