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2017年3月14日火曜日

ハイブリッドはレースを理解して楽しむには複雑すぎる

今年のF-1はレギュレーション変更により格段にスピードアップし、迫力のある走りを観られることはほぼ確実だ。ドライバーへの肉体的負荷も大きくなり、ドライバーの「アスリート」としての面もより比重が高まるという期待がもてる。




しかし、それでもパワーユニットはハイブリッドである。時代の趨勢からいって仕方がないことではあるが、レースを観る側からいえば、ハイブリッドのマシンによるレースは、F-1でもWECでも、複雑すぎて「スポーツ」としては楽しみにくい。特にF-1のようなスプリントレースでは、トップアスリート同士のつばぜり合いよりも、レース戦略の比重が高くなりすぎて、どうしてもエコランのように見えてしまう。

モータースポーツはマシンスポーツだから、マシンの性能差がかなり勝負にかかわってくるのは仕方がないし、むしろそこに技術競争を観るという楽しみもある。たとえばコース上で接近戦をしている2台のマシンのうち1台がストレートエンドで遅いとすると、内燃機関のマシンであれば、ピークパワーに差があるのかなとか、ドラッグ(空気抵抗)が大きいのかな、という推測ができる。しかし、それを補うためにドライバーが、あるいはチームがどういうことをするのか、というような見所がある。

これがハイブリッドのマシンだと、パワーが足りない原因は内燃機関本体のパワーなのか、デプロイ(回生したエネルギーの放出によるパワー)なのか、という要素が加わり、さらにそれがその周だけのことなのか、レース距離全体で足りないのか、あるいは戦略的に絞っているのか、ということは観ているだけでは全く分からないし、分かったとしてもその技術競争の面白みはあっても、もうスポーツとしては楽しめないのではないか。

スポーツであれば、ドライバーの「アスリート」としての競争を観たい。そういう面では、やはりパワーユニットはハイブリッドなしの内燃機関か、あるいは純エレクトリックのほうが良いという気がする。そういう意味では、純エレクトリックのフォーミュラEとともに、このEGTにも大きく期待したい。

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