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2015年10月26日月曜日

メキシコの風景 ~ 哀愁と情熱のサンタナ

音楽評論家の中村とうようによれば、世界で一番早くポピュラー音楽が生まれたのはカリブ海と南アジア・東南アジアということだ。それは異文化との出会い、衝突の産物であったという。確かにキューバの音楽等は傑出しており、今でもパワーにあふれている。そのカリブ海の脇にあるのがメキシコだ。
しかし、今回仕事の関係でメキシコを訪れる機会があったのだが、メキシコで耳に入ってくる音楽は妙に明るかった。明るいといっても、キューバ音楽のような凄みのある明るさとは違い、妙にあっけらかんとしているのだ。

メキシコは、アステカの人身御供、スペインによる侵略、その後の歴史においても血なまぐさい歴史をもっている。それを物語るような壁画を、メキシコ第二の都市・グアダラハラにあるハリスコ州庁舎で見た。メキシコ独立運動時の立役者、ミゲル・イダルゴ神父が奴隷解放宣言をしたこの建物の階段部分の天井一面にイダルゴ神父の壁画が描かれている。






さらに、オスピシオ・カバーニャスという孤児院の建物にも、イダルゴ神父の壁画を描いたのと同じ、ホセ・クレメンテ・オロスコの壁画があり、こちらもすさまじい程の迫力でメキシコの歴史を描いてある(こちらは撮影できなかった)。


メキシコ系のミュージシャンで有名なのは、カルロス・サンタナだ。若いころにメキシコからアメリカに移り住み、アメリカのブルースと彼のルーツであるラテン音楽の要素を融合させた独特の音楽をつくった。その作品の中でもメッセージ色の強いアルバム「Milagro」の中の一曲、「Right On」。



平和を切望して生きている人たちもいる
憎しみにとらわれて生きている人たちもいる
富に囲まれて生きている人たちもいる
人生を楽しんでいる人たちもいる
幸福の海で溺れている人たちがいる
神に、彼自身に、そしてその他のすべてのものに
プライドを感じて生きている人もいる
そうなんだ 我々は愛が必要なんだ(訳詞より)

グアダラハラからコリマまでの道すがら。広大な風景が続く中、湖の上を通り抜けていくようなところがあった。


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