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2013年12月16日月曜日

「人の運は食にあり」 水野南北

江戸時代中期に、日本一の観相家といわれた水野南北という人物を最近知った。その数奇な生涯についてはいろんなところで書かれているが、貧しい境遇に生まれ育ち、すさんだ生活をして、まれに見るほどの悪相、凶相であったのが、食事を変えて1年間貫きとおしたところ、凶相が消えたという体験を自ら持ち、運命が開けてついには78歳まで健康に生き、大きな財を成したという人物だ。

水野南北は、食を節することが大きな陰徳になるのだと説いている。少食が身体に良いというだけにとどまらず、人の運勢にまで関わってくるということに興味を覚えた。もっと食べたいのを少し我慢する、という想いが「陰徳」になる、見えない徳を積むことになるというのは深い教えだと思う。

イスラームでも、ラマダーンの月に断食を行うが、これには貧しく空腹な同胞の苦しみを分かち合うという意味があるらしい。
世界の貧困や飢餓の現実に思いを馳せれば、豊かな先進国に生きる私達の食生活は、普通に食べているだけでも「むさぼっている」に等しいとも言えるかもしれない。

でも、凡人にとっては楽なことではない。自らを、何かに寝食を忘れるほどの「フロー状態」にでも持ち込まないと、空腹を忘れられない・・・

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