村上春樹がランナーだということは、割と最近、この本を読んで知った。
走ることについて語るときに僕の語ること
フルマラソンはもちろん、トライアスロンやウルトラマラソンまで出走しているのだから本格的だ。走ることについて、小説を書くことについて、かなり率直に書かれている。
今日、ノーベル文学賞の発表があり、村上春樹が有力視されながらも今年も受賞にはならなかった。村上春樹の小説について、正直なところベストセラーになっている長編も読んでいないのでえらそうなことは言えない。平易な文体ながらもストーリーが飛躍に満ちて難解、という印象ではあるが、翻訳調の文体なので、翻訳して伝えにくい小説ではないのかもしれないと思う。短編小説はすごく魅力を感じる。
蛍・納屋を焼く・その他の短編
この短編集は、どの作品もリリカルでリズム感が良い。「納屋を焼く」には、ランニングのシーンがある。例にもれず難解なストーリーなのだが、ランニングをするときの感覚と、このストーリーは妙にフィットしている。「なぜ走るのか」という命題だって、多くの人にとっては村上春樹の小説と同じぐらい難解なはずだ。人間はそれほど単純な存在ではない。
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