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2023年11月7日火曜日

書評:イスラエル(臼杵 陽 著)

 だいぶ前に買った本だが、改めて読んでみた。初版は2009年4月。




イスラエルという国の成り立ちから、2000年代までの経緯がまとめられている。基本的にどちらにも偏らない、ニュートラルな立場からの見解が貫かれている。

まず国の成立までのプロセスでは、ユダヤ国家建設のための運動、シオニズムを自国の都合で利用しようとした諸大国に問題があったことが分かる。

もともとは世俗的な価値観に裏付けられていたシオニズムから宗教がキャスティングボートを握る時代への変遷は興味深い。

ユダヤ人は世界中に離散して、それぞれの地域で独自の文化を形成していたわけだから想像を絶する多様性がある。

そういった面で、日本とはそもそも置かれた環境が正反対だから、日本はお人好しだが、イスラエルは他を容易に信用しない、あてにしない。

以前のエントリー

その多様性に対してバランスを取るための集散離合が繰り返される。

もともと住んでいたアラブ系のパレスチナ人とイスラエルとの和平は破綻したまま進んでいない。結果的にテロと戦争が日常茶飯事という状態が今日まで続いているわけだ。


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