pinterest

2020年1月9日木曜日

F-1のこれまでの知見を活かした正常進化は?

時世を反映して今のF-1のパワーユニットは、いわゆるハイブリッドになっている。これから自動車業界がますます電化の道を進み、ピュアEVが主流の時代が本当に来るのかどうかは分からないが、高度なハイブリッドシステムが燃料の節約につながることは確かだろう。

ピュアEVのフォーミュラレースは既にフォーミュラEとして存在し、FIAとフォーミュラEとの契約上、例えばフォーミュラ1が完全電化することはできないらしい。

せっかく各チームが大変な苦労をして開発してきた今のハイブリッドシステムなのだから、これまでの知見を活かして、より高度に、さらに市販車にも反映できる技術開発を進めることが正常進化といえるのではないか。





2014年からの6シーズンで、どんどんエネルギー効率を高めてきたハイブリッドPUだが、現行のレギュレーションではPUの構成についてはがんじがらめに決められているので、内燃機関、MGU(モーター、回生ユニット)それぞれの効率を追究するしかないが、パワートレーン全体の設計に大きな自由度を持たせるレギュレーションにすれば、内燃エンジンの高効率化の追求のみならず、より多彩なイノベーションを有効にできるのではないか。

さらに、レースで使える燃料の量を減らす一方でバッテリー容量を増やし、ピットインで給油は不可だが急速充電OKにするとか、ピットはEVモードで走行を義務づける等、大まかにいえばより電化に振った方向性は考えられないだろうか。

より自由なフォーマットでエネルギー効率を追究していくと、内燃機関は小さくする方向になる。トヨタのWEC耐久マシンの開発においては、V6ではなくV4も検討されたが、高負荷時に4気筒ではやや厳しいのと、ライバルのポルシェと同じにはしたくないという心情的な面もありV6になったという。なんと3気筒ターボも検討されたらしい。そして結果は、V4のポルシェがV6のトヨタに勝ち続けたのだから、効率を追究すれば内燃機関は小さくなる方向だろう。

そうなると、パラレルハイブリッドよりもシリーズハイブリッドのほうが速くなる臨界点があると考えられる。シリーズハイブリッド、つまり内燃機関と駆動輪のつながりがなく、駆動力は全面的にモーターのみとして、フォーミュラEのようにギアボックスをなくしたほうが(もしくは2速ギヤ)軽量化できて、エネルギー回生にも有利になるという考え方もあるだろう。

こういったパワートレーンの開発に大きなコストがかかるのは間違いないが、市販車の研究開発にも直結させられれば、自動車メーカーにとっては意義のあるプロジェクトになるのではないだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿