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2019年10月14日月曜日

クルマは見かけによらない

先日のF-1鈴鹿GP、土曜日の予選等のスケジュールが台風19号の影響で全てキャンセルになり、ドライバー達にとっては急に休みができてしまった。ハースのドライバー、ロマン・グロージャンは、昔懐かしいティレルの6輪F-1のプラモデルを作っていたらしい。スーパーカーブームを知る世代にとっては、だいたい時期が重なるだけに、同時代の話題だった記憶があるが、今の現役F-1ドライバー達にとっては、生まれる前の出来事なわけで、もはやビンテージの世界だ。

1976年、77年に実際にレースに出走し、一度は優勝もしたこの6輪車ティレルP34、突拍子もないアイディアに見えるが、意外とハンドリングは良く、コントローラブルだったというから、クルマは見かけによらないものだ。

唯一、存命のジョディ・シェクターが語る“6輪”ティレルP34

これを読むと、その後の状況と取り組み次第ではもっと成功していてもおかしくないとも思える。

実際に走行している映像を見ても、フロントの反応が非常に良いように見える。




時代的にはF-1に革命をもたらしたグランドエフェクトカーが登場する寸前ということになるが、むき出しのフロントタイヤが発生する乱流がそれより後ろの空力に与える悪影響を小さくしたいというところから発想されたのが6輪車だ。フロントタイヤが発生する乱流は今のF-1も直面している問題で、そのためにフロントウィングやバージボードでアウトウォッシュだ、インウォッシュだ、とやっているわけだ。



見かけによらないクルマといえば、スーパーカーブームの中心だったランボルギーニ・カウンタックは。超現実的というか、一見エキセントリックなデザインで、見掛け倒しのようなイメージがあるが、意外とハンドリングは良かったのだ。




キャビンが前輪の間に食い込んだ、極端なキャブフォワードデザイン(当時はそんな言葉はなかったと思うが)で、そのためにキャビンは狭く、後方視界も極端に悪い等、実用性の低さがよけいにエキセントリックなイメージを助長していたが、重量配分を考えればむしろそれはハンドリングを追究するためには合理的で、ライバル車のフェラーリBBが保守的な美しさをもったデザインと実用性を重視したために限界領域でシビアなハンドリングだったのに比較して、コーナーリングパフォーマンスは優れていたらしい。

しかも、このクルマの非常に手間暇をかけて作られた鋼管スペースフレームは、年月を経ても劣化せず、その優れたハンドリングを長く保つことができたという。


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