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2017年12月6日水曜日

フォーミュラEの未来とF-1の袋小路

先週末、香港でフォーミュラEの新シーズンが開幕した。
昨シーズンのチャンピオンのルーカス・ディ・グラッシ、その前のチャンピオン、セバスチャン・ブエミともに下位に沈んだ。チーム格差が大きくなく、多くのドライバーに勝つチャンスがあるのは良いが、観る側にとっては焦点が絞りにくいのだ。

まだまだフォーミュラEには魅力が足りないのは事実。実力だけではなく、超一流の魅力をもったドライバーが参加するかどうか。もう一つは、チーム格差が生じることを覚悟の上でスピートアップのための空力の自由化だ。強豪チームの一流ドライバーがライバルとしてトップ争いをする。そして、二流チームのマシンなのにすごい走りを見せる新人ドライバーが注目を集める。かつてのアイルトン・セナのように。

今はシャシーはワンメイク、バッテリーも共通で、パワートレインの開発が自由だ。バッテリーもいずれは自由化される見込みだが、そうなるとバッテリーの開発のためにチームの予算は2倍にもなるらしい。それを考えると、バッテリーの自由化はしなくても良いのではないか。バッテリーの技術開発は、わざわざフォーミュラEでやらなくても、放っておいても中国がやりそうだ。

一方F-1は2021年からのPU問題でもめている。袋小路といってもいいだろう。
問題は予算だ。セナとプロストの時代、マクラーレンで働いていたのは200人程度、それが今ではメルセデスには1500人ものスタッフがいるという。予算も10倍に膨れ上がっている。これでは参加できるチームは限られてくるのが当たり前だ。
これからの自動車産業は、成熟しきった日米欧ではなく、中国とインドが市場の中心であり、巨大市場がそこにある以上、中国とインドの自動車産業の動向が重要とならざるを得ない。そして、自動車産業の進展と直結したモータースポーツとしては、F-1はフォーミュラEにとって代わられるのではないか。

かつて馬はれっきとした移動手段、交通手段であり、歴史を動かしたが、今では趣味の世界のものだ。おそらく内燃機関のフォーミュラは同じような存在になるのではないだろうか。

EV化が進み、電力使用量が増えれば、いくら急速に安くなっているとはいっても再生可能エネルギーだけでは賄えなくなる。火力発電、あるいは原子力に頼らなければならなくなる可能性が高いから、EVがエコとはいえない現実がある。本当は内燃機関の高効率化を目指す、例えばマツダのスカイアクティブXのような技術の開発も進めていくことが、よりエコロジー的だと思う。

確かにEVはエコではない。でも主流になる。
中国とインドがそちらに向いているから、自動車産業はそちらに走るしかないのだ。

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