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2017年10月12日木曜日

F-1もフォーミュラEもヨーロッパ文化?

おそらく、日本人ならプロ野球にほとんど興味がない人でも、今年は広島カープがリーグ優勝した、ということぐらいは、どこかで小耳にはさんで知っているだろう。おそらくそれと同じ程度に、西ヨーロッパの人なら、特にモータースポーツに興味がない人でも、F-1で今誰が強い、ということぐらいは知っているという感じではないだろうか。

以前、といっても20年近く前だが、フランスの地方都市に数か月滞在していたことがあった。その時知り合いだったおばあちゃん(確か80近かった)は、F-1レースが開催された翌朝に顔を合わせると、「昨日のレース観た?ハッキネンがトラブったわよね。今のF-1はコンピュータがつながってるけど、それがいつもうまく機能するとは限らないのよ」なんていうような話をしたものだった。

そのおばあちゃん、実は若いころは結構な社交界の人で、モナコGPを観に行ったこともあるらしい。




さて、私がそのおばあちゃんと話していたころは、マクラーレンのミカ・ハッキネンとフェラーリのミハエル・シューマッハがライバルとしてチャンピオン争いをしていた時代だった。スタート前のグリッド上では、ノートパソコンが2台ぐらいはマシンにつながれて、セッティング作業が行われていた。

そのコンピュータをF-1の世界に持ち込んだのは、日本のホンダである。

モータースポーツが文化として定着したヨーロッパがF-1では本場であって、日本はアウトサイダーである。そのアウトサイダーであるホンダが大成功を収めた第二期には、エースドライバーのアイルトン・セナはブラジル人であり、彼もまたアウトサイダーだった。ホンダの桜井とセナはアウトサイダー同士仲良くなり、ヨーロッパの連中とどう付き合ったらいいのか、よく話し合っていたようだ。

今年のチーム・マクラーレンは理想家のロン・デニスがいなくなり、半分株主のほうを向いてのチーム運営になってしまっている。株主に対する責任のがれのため、悪いことはすべてホンダのせい、という形でホンダはスケープゴートになってしまった。マクラーレンとホンダの連携に問題があったということがしきりに報道されている。

その点、来年から組むトロ・ロッソは、最初から密な連携を積極的に求めているから、期待したいところだ。

世界の自動車産業界が大きく変動している今、モータースポーツにおいても、電化の動きが大きな影響をもたらしている。特にドイツのメーカーがフォーミュラEに移行する動きが話題になっている。しかしこのフォーミュラEも、ヨーロッパが文化的優位を保とうとする動きであるように思われてならない。新興勢力であるインドや中国も取り込んだ上で自らの土俵にかこいこもうとする意図なのではないだろうか。

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