「ビジネスで大成功した自分なら国民の不満を解消できる」と訴えて大統領選に勝利したトランプ氏だが、その「大成功」には疑問符がつく、という。父親から資産と継いだ後、数多くの失敗を重ね、手がけたところには大きな傷跡を残してきたという実情がある、という記事を日本版ニューズウィーク誌で読んだ。
米マスコミは概して反トランプ報道を続けてきているので、鵜呑みにはできないが、政権の人事でも難航しており、共和党の経験ある人材に断られているという状況があるようだ。
また、さまざまな立場や文化・思想をもった個性で構成された集合体であるアメリカ合衆国は、それでも今まで何とか一つの国民となっていたが、今回の大統領選によって亀裂が浮き彫りになり、トランプ氏当選によってさまざまな分裂が露わになるという側面は否定できない。また、対外関係についても経験あるスタッフがつかなければ、孤立に向かいつつあちこちで大きな問題が生じるのではないかと予測できる。
かつてソビエト連邦が崩壊し、ロシア共和国に移行した際には、ゴルバチョフがソ連を「壊す役」を果たし、エリツィンがつぎの体制を「つくる役」を担った。これは逆のほうが良かった、こういう順番になってしまったことはロシアにとって最大の不幸だ、という説がある。
トランプ氏は明らかに「壊し屋」だろう。「壊し屋」にも必要な役割はある。壊したほうが良い現状もあるに違いない。壊すべきものをせめてうまく壊してくれれば良いとは思うが。
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