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2016年1月10日日曜日

フォーミュラEのレギュレーションと、EVの技術競争

1000馬力という強大なパワーをもったEV(電気自動車)のコンセプトカーが、国際家電ショー「CES 2016」で発表されているという。

1,000馬力のコンセプトEV「FFZERO1」がCESに登場!(ビデオ付)

市販される予定のないコンセプトカーではあるが、レーシングカー的というか未来的なデザインでありながら仕組みはシンプルで、より実用車的な車両を造り分けることもできるという。前後アクスルの間にバッテリーを敷きつめるというパッケージングは、テスラ社の電気自動車を思い起こさせる。

電気自動車は航続距離を稼ぐためには大量のバッテリーを積む必要があるが、バッテリーというのはレイアウトの自由度がある。だからテスラ社の高級サルーンは床下に大量のリチウムイオンバッテリーを敷きつめ、その上にゆったりとキャビンをレイアウトしている。要するに電気自動車はデザインの自由度が大きいわけで、これが今までにない魅力をもった自動車を実現する可能性を秘めている。

そして、電気自動車の実用性能の鍵を握るのはもちろんバッテリーだ。フォーミュラ―Eでは今シーズン当初、気温の高いコンディションでのレースでバッテリーのオーバーヒートのトラブルが出ていた。また、レギュレーションによって、1シーズン、つまりおおよそ1年間、同じバッテリーを使い続けなければいけないことになっている。オーバーヒート等のトラブルはもちろん、充放電を繰り返すこともダメージになるだろうから、バッテリーをどの程度酷使したかが、シーズン後半のパフォーマンスに影響を与えるのではないかと想像する。

2モーターは今までのところ、大きなメリットを示せていない。左右独立のモーターにして、デファレンシャルギアをなくせば、優位性が増すのではないかと思うが、それはレギュレーション上できないらしい。

パワートレーンの開発競争がはじまり、チーム間格差が生じはじめている今、参戦するなら早めのほうがいいような気もする。
電気自動車が本当に環境に良いのか、ということは確かに議論が分かれるところだ。電気自動車自体は排気ガスを出さないが、電気を発電するためには化石燃料や原子力が使われているという現実がある。また、シェールガス革命により、ピークオイルが遠のいたという考え方もある。ただ、電気自動車の強みはエネルギー回生が一番容易だということがあり、その点はゴー&ストップが多い日本でのクルマの使われ方には一番フィットしている。また、電気自動車の技術の進展は、同じくエネルギー回生が重要なハイブリッド技術にも応用可能なはずだから、日本のメーカーもフォーミュラEに積極的に関わっていくメリットはあるのではないかと考えている。

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