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2015年8月21日金曜日

「いいこと」がなかなか進展しない理由

人間は本能が壊れているから、「意識」が必要になったともいえる。
動物であれば、生命を保つため、また種を保つために必要なことは本能として備わっている。危険が迫っていれば直感的に察知できる。人間の場合は、「必要なこと」が直感だけでは判断できないから、「意識」で考える必要がある。

自分の利益のためでなく、世の中のためにする活動として、例えば「ボランティア」があったりする。現代の世界には様々なボランティアが存在し、実際に社会に貢献している部分もある。人間社会の中で必要なことである。そういった利他の精神に基づく活動がもっと盛んになれば、社会は良くなっていくはずだが、そういった「いいこと」がなかなか進展しない要因があるとすれば、こういう心理的な要因があるのではないか?
「ボランティア未来論」という本にこんなことが書かれてあった。だいぶ前に読んで今手元にないので正確ではないが、例えばあるボランティア団体に、ふっと若い学生が興味本位で訪ねてきたとする。ボランティア団体には、その活動のために全てを捧げているようなベテランがいる。そういうベテラン活動員は、興味本位で暇つぶしに訪ねてきた学生に対して、「ここはあなたのような人が来るところじゃない」というような態度を取る。確かにそのベテランはその団体の活動を支えるのに不可欠な貢献を、多大な犠牲を払ってまでしているのだから、その態度は理解できないわけではないが、せっかく興味を持ってやってきた学生は、二度と来てくれなくなる。そういうジレンマが、多くのボランティア団体にはあるということだった。

さらにこういったボランティアに関わる、あるいは関わろうとする人の(すべてではないが)心理的な一つの傾向について、斎藤一人さんの指摘が興味深い。


「何をやりたいか」よりも「何をすべきか」に意識が向いてしまう「まじめな人」の心理がかえってネガティブに働いてしまう。解決は簡単ではない。本当はやりたくないんだったら、やめればいい、ということではないと思う。ただ、「本当はやりたくない」という想いもあるということ、この心理メカニズムをまず認めるところからスタートする必要があるのかもしれない。

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