pinterest

2015年5月19日火曜日

複数の言語を話す子どもたちは、より優れたコミュニケーションスキルを有している可能性がある

マレーシアのニュースサイトmalaymail onlineで、面白い記事を見つけた。バイリンガル環境で育つことが、コミュニケーションに有効なスキルを高める可能性について。

(以下 拙訳)

シカゴ、5月19日 - シカゴ大学の新たな研究によると、家庭で複数の言語が話されるのを耳にしている子供は、単一言語の家庭で育った子供よりも優れたコミュニケーターである可能性がある。

 効果的なコミュニケーションが他者の視点を理解する能力を必要とするという考えを足がかりに、研究者らは、多言語環境で育った子供達は、言葉の裏を読むことにより長けている可能性があると結論付けた。

 驚くべきことに、子どもたちが必ずしも実際に二つ以上の言語を話す必要はなく、研究によれば、第二言語をただ聴いていることが社会的なコミュニケーションのためのビルディングブロックとなるということだ。

 「多言語環境での子供たちは、誰が何を誰に話すかをモニタリングし、言語の使い方に基づいて形成されている社会的なパターンと忠順さを観察するという、幅広い社会的実践を行っている」と、心理学の準教授であり言語と社会性発達の専門家であるキャサリン・キンズラーは述べている。

 バイリンガルであることのメリットを主張する一連の研究が存在する一方、ジャーナルPsychological Scienceに掲載されたこの研究では、複数の言語にさらされることが社会的利益を有することを初めて示唆している。

 「こういった初期においての社会言語学的な経験は、他者の視点から見るという子供達のスキルを磨き、効果的なコミュニケーションのためのツールを与える可能性がある」と、キンズラー氏は述べています。「我々の研究によれば、コミュニケーションの多くは視点をいかに取るかということなのです。」

 研究者らは、3種類の異なる言語環境にある4~6歳の子供達72人に対して研究を行った。

 そのうち24人は英語の単一言語家庭から、24人は他の言語に日常的に触れており、残りの24人は二つの言語を話し、理解することができるバイリンガルだった。

 参加した子供達は、グリッドの内で対象物を移動させる必要のあるコミュニケーションゲームをするためパートナーとなる大人と向かいのテーブルに座った。

 子供のほうは対象物を完全に見ることができるが、大人のほうはグリッドの中のいくつかの角しか見えず、他はブロックされて見えなくなっている。

 子供のほうは、事前に大人の座っている側から練習をしてあったので、パートナーの大人がすべての角を見ることができないことが分かっている。

 ゲームの中で、大人はパートナーの子供に、グリッド内のどの対象物を動かすべきかを尋ねる。

 例えば、大人のほうが「小さな車が見える。これをもう一方の角に動かしてくれるかな?」と言ったとすると、

 子供のほうには3台の異なるサイズの車が見えていて、しかし大人のほうからは2つだけしか見えないことを知っているので、パートナーの大人の視点からどの車が小さく見えるかを理解しなければならない。

 単一言語環境からの子供達が正しいほうを動かした確率が50%であったのに対して、別の言語に触れている子供の場合は76%、さらにバイリンガルの子供たちは77%の確率で正しい方を動かすことができたという。

元記事はこちら
Multilingual children may have better communication skills

0 件のコメント:

コメントを投稿