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2015年1月21日水曜日

フォーミュラEと電気自動車の可能性

フォーミュラE第4戦、アルゼンチンでのレースが予想以上に面白かったので、過去のレースも遡って見てみた。
第1戦から、一戦ごとに変化が激しく、マシンとしてもチームの作戦、レースの運営面でもまだまだ完成するまでに時間はかかるだろうが、マシンの動きとしては、電気モーターが非常にレスポンシブなので、動きは神経質なのだという。さらにバッテリーが重いために重量配分はかなりリヤヘビーで、F1等とはかなり違った操縦感覚らしい。ただ動画を見ている分にはマシンの動きはフォーミュラカーらしい鋭い身のこなしである一方、カミソリの刃を渡るスリルを感じることもあり、十分エキサイティングだし、ドライバーのレースが見えるというか、スポーツらしさが感じられる。
ただバランスを崩すと派手にスピンし、クラッシュするシーンも多く、レギュレーションのためか接触があるとサスペンションを壊しやすくてリタイヤにつながってしまう。それでレースが中断したり順位が変動してしまうことが多いのはちょっと残念。より洗練されたルールや運営が望まれる。

今のところレギュレーションで決勝レースは最大60分、その間に1回マシンごと乗り換える。レースの長さとしてはF1の半分ぐらい。レース中にセイフティカーが入ると、電気をセーブできるので、その後で激しいバトルが可能になるというのは面白い。また、予選では、アタック前に1周エネルギー回生のためにゆっくり走る。
それから第1戦北京は英語の中継動画も見たのだが、マシンの音がF1等より圧倒的に小さいので英語が聴きとりやすい。

電気自動車は、比較的近距離で使う都市圏のコミューターとしての使い方が有望視されているが、フォーミュラEのモータースポーツとしての面白さを考えると、スポーツカーとしての可能性も多いにあるのではないかと感じる。エコロジーの観点から、近未来のクルマのエネルギー源として何をどう使うのが良いか、という問題は、社会全体、産業構造全体をみて考える必要があるのは当然だが、レースというのは限られた条件の中で最大の効率を追求する実験の場として意味がある。電気自動車の技術が進歩すれば、それはハイブリッドや燃料電池車にも応用できる。
ただし、今のところパワートレインもバッテリーも事実上ワンメイクの状態なので、今後技術競争が行われるようになることを期待したい。エネルギー回生システムも後輪のみで前輪にはついていない。ただ、技術競争が激しくなると今度はコストアップが懸念されるところだが。

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