先日、ATPツアーファイナル準決勝でのジョコビッチ対錦織の試合を見た。錦織は今シーズン勢いに乗っているが、ジョコビッチもかなり良い状態に思えた。どちらの打つ球も、意味のない球がない、というテンションの高い試合だった。
「勝てない相手はいない」とインタビューで語った錦織の強い意識は、すきの見えないジョコビッチに1セット目を早々に取られてしまった後の2セット目を取り返して、流れを変えてしまったところに見て取れる。コーチのマイケル・チャンの影響も大きいのだろうが、技術力もさることながら、意識によって変わるんだな、ということを強く感じさせてくれた。
意識といえば、一昔前までのテニスは、サーブ&ボレーか、ストローカーか、というプレースタイルが明確で、サーブ&ボレー型のプレーヤーが優勢だった頃は、サービスエースか、中途半端に返したリターンをボレーで叩いて終わり、という単調な試合が多かったように記憶している(そんな試合でも、それはそれなりに、野球の投手戦とか、なかなかオーバーテイクしないF-1レースみたいな面白さはあるのだが)。
しかし、今のテニスは、強力なサーブとストローク、どちらも持っていないと勝てないようだ。錦織にしてもジョコビッチにしても、基本ベースライナーだが、どっちもいける。どっちもできないと上にはいけない、という意識になると、できるようになるのではないか。
1990年代に君臨したピート・サンプラスあたりから、オールラウンダーが活躍する時代の到来を感じた。ライバルのアンドレ・アガシだって基本ベースライナーだったが、サーブなんかも強くなって、すごい自己改造力だなと思った記憶がある。
錦織圭は以前より一回り逞しくなって、元々あった外国選手との体格差を感じさせない強さを見せてくれた。来期もさらに上を目指して頑張ってほしい。
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