昨夜はNHK教育の対談番組「SWITCHインタビュー達人達」で、女優・中谷美紀と作家・天童荒太の対談を見た。
役という人物になりきる女優と、対象となる人物になりきることで書く作家。しかもそれが「不幸な」人物のストーリーであるとき、なぜそれを人は見たがるのだろうか、という問いが浮かび上がる。しかし、「他人の不幸を想像する力」、それが人というものの希望なんだと思わされた。簡単に答えなど出せないようなテーマだが、両者とも、「自分には何もない」という認識からスタートしているというような言葉があり、印象的だった。空白になったところで、他人の生き様や心を描き、あるいは演じる。言葉の力を信じて書き、語ること。それによって何かが伝わる。それが「不幸な」ストーリーであったとしても、それを人は求めるということか。
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