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2013年10月26日土曜日

国家的危機と、走ることへの衝動

いささかバブリーにも見えた久しぶりのアメリカについて、前回は書いた。しかし、それはあくまでごく一部なのだろうと思う。一方では、フードスタンプ(貧困者への食糧購入券)の利用者が過去最高になっているという現実もある。

フードスタンプ(貧困者への食糧購入券)利用者が過去最高へ 不景気から抜け出せないアメリカ

大変な事になっているアメリカのフードスタンプ事情

貧困層が増えている、つまり格差がますますひろがっているということは間違いないのだろう。当面のデフォルト危機は回避されたが、問題が先送りされただけであって財政が改善したわけでもない。

ちなみに、アメリカでは国家的危機に直面しているとき、ランニングブームが起こるのだという。クリストファー・マクドゥーガルの「Born to Run]に書かれているのだが、アメリカでは過去に3回、ランニングブームがあった。初めは1930年代の大恐慌のとき、2回目は1970年代はじめ、ベトナム戦争、東西冷戦、人種暴動等にアメリカが苦しんでいた時、そして3回目は、2001年9月11日の同時多発テロの1年後から、トレイルランニングが一躍、最も増えているアウトドアスポーツになったのだという。走ることへの衝動は普遍的なものであり、人にとって最も基本的な2つの衝動、恐怖と喜びを一つにする。人は恐怖を感じた時に走り、エクスタティックになっている時に走る。人は問題から逃げるために走り、最高に楽しい時に走りまわる・・・

日本でも、東日本大震災の後、被災地で多くのランナーが走り続けている。東日本大震災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故にみまわれ、復旧・復興への取り組みに尽力されている南相馬市長の桜井勝延氏も長年走り続けている方だという。桜井氏は「ランナーズ」誌のインタビュー記事の中でこう言っている。「数十年コツコツと走って、基礎体力があったのが救い。身体が動くと、心も簡単には折れない。気力だけでは乗り切れなかったと思うよ」

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