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2015年11月11日水曜日

国産初の小型ジェット旅客機MRJ初飛行

今日午前、国産初の小型ジェット旅客機となるMRJの初飛行が行われた。日本での旅客機開発はYS11以来のことで、YS11はターボプロップ機(ガスタービンエンジンでプロペラを駆動する形式)だったから、ジェット機としては国産初ということになる。開発しているのは三菱重工業。ここまでの開発は順調とはいえなかったようだ。近年の航空機開発は複雑化しているため、これまで5回のスケジュール遅延があったという。

MRJは航続距離3000キロメートル程度で主に地域間輸送を担う100席程度の中小型機、「リージョナルジェット」と呼ばれる市場に参入することになる。現在、ブラジルのエンブラエル、カナダのボンバルディアの2強が市場の大部分を占めている。将来的にかなり需要が見込まれる市場だという。
その中に参入していくわけだが、既に400機以上受注がある。しかし、今年6月のパリ航空ショーでは新規受注がとれず、同型のエンジンを積む新型機の受注を50機獲得したブラジル・エンブラエル社に差をつけられた形だったから、今後いかに挽回していけるのか、予断を許さないところだ。

三菱重工業といえば、戦前には零戦を開発したことで有名だ。旅客機の経験こそないものの、機体開発の経験実績は数多い。最新鋭ステルス戦闘機「F35」の機体の最終組み立て等も行うことになっている。その経験を活かして高い空力設計と軽量化によって、ライバルのエンブラエル社の新型機と同型のエンジンなから、数%燃費が良い機体となっているという。確かに、見るからにすっきりした機体だ。

しかしその一方で、部品の多くは海外製を使い、エンジンも国産ではなく、燃費に優れた米国プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製新型エンジンだ。
燃費向上と騒音低減のために、吸気ファンとそれを駆動するタービンの間にギアを入れてタービン回転を高く保ちつつファンの回転数を下げている。そのギアというのは、調べてみると、それにはやはりプラネタリーギアが使われているようだ。

航空機用ジェットエンジンの新しい潮流「ギヤードターボファン」の30年に及ぶ開発と今後の展望

ギヤードターボファンエンジン

旅客機ではなくビジネスジェットの領域ではあるが、ホンダはジェットエンジンを自社開発している。ただしアメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック社)との合弁会社での開発である。

HF120 (エンジン)

離陸間近「ホンダジェット」に死角はないか


日本のメーカーには、複雑になった航空機開発の世界ではあっても、安全な航空産業の実現のためにぜひとも技術力を発揮することを願いたい。

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