一国の歴史は、実に多くの人物がからみあって、はじめて動く。多くの人が有為にものを考え、行動し、それが誰かの意図した通りであったり、あるいは偶然にみえることもあったりするが、不思議な連携が起こる。
特に日本のように人口も多く、複雑な社会をもった国であればなおさらのことだ。
幕末・明治維新の時期の日本人は、もしかしたら日本の有史以来初めてのことなのかもしれないが、少なからぬ数の人間が、こうあるべきだという理念をいだき、その理念を実現させるべく志をもって行動した時代なのだと思う。
それに比べて、例えば数百年時代をさかのぼった戦国時代から織豊政権、江戸幕府の成立に至る時期においては、まだ大名という実力をもった組織の力の論理でものを考え、行動を決めていく要素が強かったように思う。
幕末・明治維新の時代においては、幕府側の立場だとか、藩の利益といった壁を越えて、日本の国益を考えようとする人材があらわれるようになっていた。
この時期に活躍した人物の一人が坂本龍馬だったということ。小説「竜馬がゆく」では、もちろん小説の主人公として誇張された部分はあるにせよ、実際に重要な役割を果たした人物の一人であることは明らかだろう。でなければ、寺田屋事件で負傷したとき、当時閉鎖的といわれた薩摩藩が、藩内にまで連れて行って保護するようなことはしなかっただろう。
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