pinterest

2015年6月16日火曜日

ルマン24時間でポルシェが1-2フィニッシュで優勝~複雑なハイブリッドシステムでの勝利

ルマン24時間耐久レースで、ポルシェチームが1-2フィニッシュで優勝した。ルマンでは長い歴史をもつポルシェの歴代最多記録を伸ばす17回目の総合優勝となったのだが、去年から投入されたポルシェ919ハイブリッドという、非常に複雑なハイブリッドシステムをもったレーシングマシンでの勝利だ。そのマシンのシステムは、特に排気エネルギー回生にかなり独特なものがある。

2014年に大きな規約変更があったF1のシステムも排気エネルギー回生は行っているが、それとも違うシステムだ。ガソリンエンジンの場合、ターボチャージャーによる過給は、ノッキング(異常爆発)が発生しない範囲に制限する必要があるため、ある程度エンジン回転が上がるとウェイストゲートによって排気の一部を逃がすことになり、排気エネルギーを十分に利用できているとはいえない。そのウェイストゲートから逃がした排気ガスでもう一つのタービンを回し、それでジェネレータを駆動して発電を行うのがポルシェのシステムだ。

ポルシェ919ハイブリッド:パワーユニット解説
(去年の記事だが、基本的な考え方は変わらないようだ)

こちらは動画での説明

一方、F1の場合、ターボチャージャーのタービン軸にジェネレータがついて発電する形になっており、排気エネルギーが余剰になる際に発電を行うのみならず、加速時には逆にモーターとしてタービン軸を加速させ、ターボラグを解消するという働きも行う点では、より進んでいるともいえる。

2014年F1規約: エンジンの改革 - 基本的な解説 1

しかし、高い熱を伴う排気エネルギーの回生と過給を一つのユニットで担うというのは、耐久性という面では厳しいのではないか。また、過給を行うターボの最適な回転数とジェネレータで可能な回転数の差が大きく、それをどう調整するのか、ということもあるらしい。
将来的な技術の活用を考えると、耐久レースで証明されたポルシェのシステムのほうが、市販車等には応用しやすいのではないだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿