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2020年8月5日水曜日

F-1を面白くしてくれるドライバーは?

F-1でドライバーの優劣を論じるのは簡単ではない。
今年も最強のルイス・ハミルトンはおそらく天才だが、その強さはどうしてもマシンの強さに依存する。素材としてのマシンの優劣と、それをどう仕上げて行くかが勝負。マシンの素性と、その時のサーキットに合ったセットアップがどれぐらいできるかで、チームの序列が決まってしまう。たいていのレースで、予選後のスターティンググリッドでは、同じチームのマシンが横にならんでいる。純粋なドライバーとしての優劣は極論チームメイトバトルでしか見えない。

今までのドライバーで天才といえるのは、ジル・ビルヌーブ、アイルトン・セナ、ミカ・ハッキネン、フェルナンド・アロンソ、そしてルイス・ハミルトンあたりではないだろうか。

チャンピオンになった回数ではハミルトンが6回でダントツだが、そのうち5回はメルセデスで獲得している。セナ3回、ハッキネン2回、アロンソ2回。ジル・ビルヌーブは1度もチャンピオンになっていない「無冠の帝王」だが、それはその当時のフェラーリのマシンがあまりにもひどかったのと、キャリア半ばで事故死してしまったからだ。

天才ではないが偉大だったのはアラン・プロストとミハエル・シューマッハ。
プロストは、不安定な初期ターボ時代に結果を残していることと、セッティングが決まれば天才セナにガチで勝っていたこと(シューマッハほどのハードワーカーでもないのに)。
プロストもシューマッハも、天才でないだけにセッティングに依存した。カムバック後のシューマッハは、セッティングのためのテスト時間がレギュレーションによる制限で取れなくなったため勝てなくなった。

マシンがどんなにひどくても、セッティングが決まらなくてもそのマシンを振り回して時には勝った型破りの天才はジル・ビルヌーブとアイルトン・セナ。そんな人はもう現れないだろう。

今はルイス・ハミルトンという天才があまりにも強いメルセデスに乗っていて、他に傑出した天才も偉大なドライバーも見当たらない。だからこそついアロンソの復帰に期待を寄せてしまう。
ただ、ハミルトンは多才な人で、セナほどレースだけにひたむきなタイプではない。だから油断してニコ・ロズベルグ程度のチームメイトにタイトルを持っていかれたこともあった。
人の本質は案外変わらないところがある。バルテリ・ボッタスにもチャンスがなくはない。

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