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2018年1月1日月曜日

去年(2017年)のベストレースは、やはりインディ500マイル

去年一番印象的だったレースはやはり、佐藤琢磨が優勝したインディ500。



オーヴァル(楕円)コースのレースは大小のコーナーが連続するヨーロッパのサーキットと比べると大雑把なように見えるが、実はかなりシビアなセッティングと駆け引きがある。
そしてインディカーはワンメイクに近いので、セッティングの駆け引きの面白さもある。

約380キロという超高速に達するため空力が重要だ。密集して走るとタービュランス(乱気流)の影響を受けてクラッシュにつながることも多い。先頭を走る車は空気抵抗をダイレクトに受けるため燃費が悪化する。だからレース序盤で長く先頭に立っていると不利になる。だが、一度は先頭を走らないとマシンのバランスが分からないという。佐藤琢磨が所属したマイケル・アンドレッティのチームは、自転車レースを思い起こさせるようなフォーメーションを組んで、チームメイト同士で順番に先頭を走るというチームプレイをやっていたようだ。

先頭を走るマシンは空気抵抗を受けるためペースが落ちてしまう。だから順位の入れ替わりも多いし、最終的にレースに勝つには先頭に出るタイミングを読む必要がある。佐藤琢磨が終盤いったん3位にポジションを下げたのも、彼のクレバーな作戦だった。ベテランのエリオ・カストロネベスにあえて先行させて先頭の若手ドライバー、マックス・チルトンを攻略させ、絶妙なタイミングで先頭に出て、それぞれのマシンのタイヤがギリギリの状態で最後はトップを守り切った。
伝統あるレースで日本人初の快挙だが、佐藤琢磨は勝つべくして勝った、素晴らしいレースだった。

アメリカのモータースポーツはファンとの距離が近く感じられるのも魅力だ。

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