6月6日、モスクワの中心地、クレムリンと赤の広場に隣接したコースで行われたフォーミュラE第9戦。ネルソンピケJrがスタートで跳び出し、ぐんぐん引き離していった。全体的にコース幅が広く、高速コーナーが続くこういうコースが、フォーミュラEにはあっているのではないかと思う。微妙なアップダウンやコース幅の変化もあって、なかなか面白いコースだ。
フォーミュラEのマシンは、バッテリーのために車体が重いのと、空力によるダウンフォースがレーシングカーとしてはかなり小さいのが特徴で、コーナーリング力は空力によらないメカニカルグリップが重要になる。
コーナリングの際、車体の重量があればあるほど慣性力となって車を曲がらせまいとする。一方その慣性力に抗して車を曲がらせるためのグリップ力はタイヤにかかる荷重に比例するから車重があったほうがグリップは高くなるが、曲がらせまいとする慣性力も車重があったほうが大きくなり、コーナーリング力は一定の限界に落ち着く。
F1等のレーシングマシンの場合、空力によるダウンフォースがプラスされるため、コーナーリングパフォーマンスは飛躍的に向上するわけだが、それがないフォーミュラEの場合、メカニカルグリップによる限られたコーナーリングフォースを使って走らせる走らせ方はある意味で普通の車に近い感覚なのではないかと推測できる。
慣性力で外に膨らもうとするリアを巧みにコントロールしながら大小のコーナーをスムーズにクリアーしていくのは、見ていて美しい。
シーズン前半は頻繁にあった何台もからんでの派手なクラッシュなどもなくなり、フォーミュラEのレース進行はずいぶん洗練されてきたように見える。
0 件のコメント:
コメントを投稿