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2022年8月19日金曜日

ツール・ド・フランスで総合最下位の完走者に贈られたランタン・ルージュ?

 図書館でこういう本をみつけたのだが、自転車ロードレースの最高峰、ツール・ド・フランスで、最下位の完走者に贈られるランタン・ルージュという賞があるそうだ。今でもあるんだろうか?


いずれにせよ非公式のものなので、歴史は定かでないようだが、ランタン・ルージュが初めて活字で記録されたのはおそらく1919年、奇しくも総合トップの選手が有名なマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージ)を着用するようになったのと同じ年だという。

ツール・ド・フランスが個人のアドベンチャーレース色が濃かった時代ならそれなりの意義があったのかもしれないが、今の自転車ロードレースはほぼチーム競技であり、ごく一握りのエース選手以外の選手は、アシストとして自分の総合順位を度外視してエースのために走るわけで、いわば空気抵抗との戦いのために、チーム全員の体力を結集させる。アシスト選手が、エースの前を牽いて風切り役を果たし終えた後、ヘロヘロになって順位を落としてゴールする日々を重ねれば、結果的に最下位になったりするだろうから、それをポジティブな意味でもネガティブな意味でも取沙汰することにあまり意味はないようにも思う。


ともあれ、この本にはいくつか面白いエピソードも載っていた。

ツール・ド・フランス以外でも、スペインで行われるブエルタ・ア・エスパーニャでは、第2回の一回きりながら、例年なら総合トップが着用する赤いジャージを、なんと最下位の選手が着用したという(そのときは優勝者はオレンジ色のジャージを着た)。

また、イタリアで行われるジロ・デ・イタリアでは、ラ・マリアネーラ(黒いジャージ)にプラスして相当額の賞金が贈られたこともあり、ジョバンニ・ピナレロという選手はその賞金を、新たに始めたショップと自転車工房の資金として有意義に使い、今もってロードレース界で評価の高いブランド、ピナレロを創り上げたのだということだ。

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